仮払金申請書の書き方とは？
仮払金とは金額が確定していない費用や経費について、その発生を見越して事前に渡しておくお金のことを指します。出張業務では出張者に前もって仮払金を渡すこともありますが、その際にはあらかじめ仮払金申請書を書いてもらうといった手順が必要です。
仮払金申請書とは？
仮払金申請書とは、文字通り仮払金を受け取るために提出する申請書です。出張を控えた社員が受取人として仮払金申請書を事前に提出しておくことで、会社はその社員へ出張前にある程度の仮払金を渡し、出張中に社員が費用を立て替えなくて済むように備えることができます。
ただし、仮払金は金額が確定していない費用を、あらかじめ発生を見据えて渡しておくお金です。仮払金申請書を書いて承認するという手順を行った時点では実際にどの程度のお金が発生するのか金額や用途が確実に分かっていません。そのため仮払金申請書の書き方に不備があったり、出張から戻った後で決済処理を行った際に仮払金申請書の内容と差違があったりすれば、経費として認められずに社員が差額を返金しなければならないといったリスクも想定されます。
仮払金申請書の書き方・記載項目とは？
仮払申請書は企業や部署によって書式が異なっていることもありますが、一般的な項目としては以下のような内容を記載しなければなりません。
- 申請者：出張などで仮払金を必要とする社員（受取人）の名前や所属部署など
- 申請日：仮払金申請書を書いて提出する日付
- 仮払申請金額：仮払金として出張の業務に先んじて受け取りたい金額
- 仮払希望日：仮払金を受け取りたい日付または出張前に受け取り可能な日付
- 事業名・プロジェクト名：仮払金が必要になる事業やプロジェクトの名称
- 目的・内容：仮払金が必要になる理由やそれを使用する目的の詳細
※出張の場合は日程や目的地といった行程の詳細 - 経費内訳：仮払金で支払う経費の内訳や詳細
※出張の場合は交通機関の種類や費用、宿泊先の名称や宿泊費などの詳細 - 予定精算日：出張から戻って来て経費の精算を行う予定の日付
仮払金を渡すメリットとデメリット
メリット
仮払金を制度化するメリットは、従業員が自分のお金で出張中など業務上必要な経費を立て替えなくて良くなる点です。そもそも個々の従業員の経済事情によって手持ちの現金に差があることも。万一の際にお金を払えなくて出張を続けられないといったリスクを事前に回避することができます。また、従業員にとって経済面の不安や不満を解消し、安心して出張へ望めるようにするメンタル面のメリットもあるでしょう。
デメリット
仮払金申請書の内容が不十分であった場合、仮払金では足りなくなって、結果的に従業員が立替払をしなければならないケースもあります。また、逆に不要な金額の仮払金を申請して使ってしまった場合、精算時に経費として認められず、差額を従業員が返還しなければならないといった問題に発展する可能性もあります。
その他、単純に仮払金申請書を作成する手間が業務負担になることもデメリットです。
未精算の仮払金を放置することで生じるリスク
仮払金の精算をきちんと行わない場合、企業として様々なリスクを増大させてしまいます。
税務署の指導対象になる可能性
そもそも仮払金は一時的に支払われる仮のお金であり、実際に支出した経費の内容や金額は精算処理によって確定・相殺しなければなりません。これをしない場合、用途不明の資金が従業員へ支払われたまま放置されるという状態になります。
当然ながら、用途不明のお金が未精算のまま残された場合、適切な会計処理が行われないため、税務署から不備を指摘される危険性があるでしょう。さらに、税務調査で仮払金が経営者に渡っていたと発覚した場合、経営者への貸付金や給与として扱われ、場合によっては高額な追徴課税が発生する恐れもあります。
銀行や金融機関の融資審査が厳しくなる可能性
未精算の仮払金が放置されている状態は、企業の財務処理として不適切なものです。客観的に見て経済状況や経理業務に不信感を抱かれる可能性が高まります。
当然ながら、銀行や金融機関は融資先となる企業の財務状況や経理状況についても厳しくチェックするため、未精算の仮払金が放置されていると資金の流れに不審な点があると判断され、融資を受けることも難しくなるでしょう。
まとめ
仮払金を出張者へ事前に渡すことで、出張中にお金が不足するリスクが抑えられ、出張者は安心して仕事をしやすくなります。反面、仮払金は不正な支払いや経理の不健全化といった問題を内包しており、従業員にとっても仮払金申請書を作成する手間が増えるといった点はデメリットです。
そのため、仮払金のメリットを維持しつつ健全化も同時に叶えるために、出張管理システムによる一元管理を行って、仮払金申請書の標準化や精算業務の効率化を進めるといった方法も検討していきましょう。
SELECTIONS
おすすめ出張手配システム3選
出張申請、交通機関や宿泊施設の手配、そして出張経費精算までを一元管理でき、出張業務を効率良く進めることが可能。出張者の行動・日程管理も簡単になります。
手動で管理している場合が多かったと思いますが、今では多くの企業でシステム化されているのです。
出張⼿配プラス
して経営判断に活かしたい
特徴
各拠点・他部署の利用状況を可視化できるシステム。全社的な支出管理も可能で出張データからコスト削減提案にも対応。
調整可
経費負担先変更機能により、「出張者」と「費用を負担する部門」が異なる組織でも安心。部門間の精算トラブルを防ぎ、月次集計や仕訳処理も迅速化。
ビズバンスJTB出張予約
（旧：Bzit）
抑えたいなら
特徴
海外航空券やホテルを法人割引でリアルタイム予約。現場で空席や価格を即確認可能。最安値や割引運賃を自動で選択でき、自然にコスト削減を実現。
APIを通じて25社の会計ソフトと連携可能。データはCSV形式で出力。海外出張の多通貨精算データも自動取り込み、経理処理のスピードと正確性UP。
AI Travel
（トランスファーデータ）
把握したいなら
特徴
出張経費を部署・役職・プロジェクトごとに可視化。プロジェクト単位の原価計算や収支管理が可能。利益率や予算管理の精度を向上。
会計・経費精算システムとのAPI連携で、案件別の経理処理を自動化。月次決算のスピードアップ、ミス防止、責任範囲の明確化を実現。
