出張命令書とは？
「出張命令書」は、出張命令者（上司など）が出張の内容などを明確にし、承認するために作成されます。こちらの書類がなくても、口頭のみでも出張の指示は成立しますが、書類を作成して記録を残しておくことによって会社が出張に関して指示を出したという記録ができます。
さらに出張に関わってくる項目の記載により出張者と出張命令者との間での認識がずれることを防いだり、無駄な出費を防ぐためにも出張命令書を作ることは有効であると考えられます。こちらの記事では、出張命令書の作り方やメリットについてまとめていますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
「出張命令書」のフロー
出張報告書にはどのような内容を記載したらよいのでしょうか。ここではどのような内容を記載するのかといったことを一つずつご紹介していきます。
- 出張者氏名
まずは出張者の氏名を記載します。今回の出張には誰が行くのかという点を明確にするために必要です。 - 出張の目的
例えば「取引先との商談を行う」「展示会に参加する」など、今回の出張ではどのような業務を行うのかという点に加えて、どのようなことの達成を目的としている出張なのかを明確にします。 - 出張期間・日程
出張の期間や日程についても出張命令書に記載しておきます。いつ出発し、いつ戻ってくるのかという内容をはっきりと記載しておきます。 - 出張先（取引先名・担当者の役職・氏名）
出張先についても記載しておきます。訪問場所や訪問する取引先名、また現地で会う担当者などがはっきりしている場合は、その担当者の役職や氏名などを記載します。 - 出張費用
出張命令書には費用に関する内容も記載しておきます。例えば移動に関わってくる旅費や交通費、ホテルなどでの滞在費など、出張費全体の金額に関わってくる情報が記載されるケースも見られます。
出張命令書の必要性
この出張命令書は、法律で作成が義務付けられているものではありませんので 必ず出張前に作成しなければいけないというわけではありません。しかし会社によっては一般的な出張だったとしてもこの出張命令書を作成することになっているところもあります。
また、普段は出張命令書を作成していない会社でも、出張で海外渡航を行う場合など出張先によってはこちらの書類の作成をするケースもあります。例えば、入国にあたってパスポートだけでよいのか・ビザが必要なのかといった部分も関わってきます。パスポートのみでビジネス目的で入国が可能であれば問題ありませんが、もしビザが必要な場合であれば、ビザ申請書を提出する際に出張命令書の添付提出が必要となるためです。
さらに公務員の場合については法律に基づいた旅費申請を行うことになりますが、その場合でも出張命令書が必要となってきます。
出張命令書を作成するメリットは？
出張命令書を作成することでどのような業務上のメリットや価値を得られるのでしょうか。ここでは出張命令書を用意するメリットについて解説しています。
出張を命じた人物や責任者について明確化できる
出張命令書を作成して共有することで、誰が誰に出張を命じたのか、責任の所在や担当者についてはっきりと書類に残せるようになります。
責任の所在や報告体制などを明確化できるということは、もしも出張中に何かしらのトラブルが発生した際にも命令系統をリチェックして、即座の対応へ転じられるという点において重要です。また出張の記録を業務管理としてまとめられることもポイントです。
出張の目的や意義を明文化できる
出張命令書では、どこへ、どのような目的にもとづいて出張を指示したのかという点も記載されています。そのため、口頭指示だけでは誤解や齟齬が生じるリスクを低減し、離れていてもきちんとした指示に沿って出張者が行動できるように促せる効果を発揮します。
また、出張命令書と改めて提出された出張報告書を比較することで、出張者が適切に目的へ沿って活動していたかチェックしやすくなるでしょう。
出張後の旅費精算がスムーズになる
出張の経緯や目的が命令書によって指示されているため、出張者が立て替えた経費や旅費の精算作業もスムーズになります。また、どういう意図で使用した費用か具体的に報告しやすくなり、見解の相違によって経費申請が通らないといったトラブルを回避することが可能です。
出張命令書を根拠として仮払金を用意できる
事前に出張命令書を作成しておけば、それにもとづいて発生が予想される費用に関して、あらかじめ仮払金を渡しておくことも可能です。
当然ながら出張中に思いがけない費用の発生が起こることもあるでしょうが、基本的に事前の必要経費に関する仮払金を用意することができれば、出張者が自分の財布から旅費を立て替えるといったことを行う必要がありません。
そのため、出張者に対して公私の切り替えを改めて意識させる上でも仮払金や出張命令書は役立ちます。
出張命令書の効率的な管理方法とは
出張命令書を紙ベースで保管していた場合、どうしても出張が増えるにつれて報告書の量も多くなり、保管が難しくなります。また、紙の書類で出張命令書を渡してしまうと、肝心な時に書類を置き忘れてきたり、社外の人間に情報が流出したりといったリスクも生じてしまうでしょう。
そのため、出張命令書は電子データとして作成・保管・共有することが効率的です。また、可能であれば業務ファイルを管理できるクラウドデータベースを用意したり、外部から社内のデータベースへアクセスしたりできるように環境を整えておくことで、いざという時でも出張者が命令書の内容をスムーズに確認することができます。
出張管理システムで効率的な保管が可能
電子データとしての出張命令書の作成や、データの一元管理といったニーズに対して、一括でカバーできるシステムが出張管理システムです。
また、書類の閲覧についてアクセス権限を設定すれば出張命令書を確認できる人物を指定できるため、重要なプロジェクトにおいて情報管理を厳格化するといった面でも役立ちます。
まとめ
出張命令書は法律によって義務化されているものではありませんが、適切に作成して管理し、出張者や経理担当者などと共有することで、出張の質を高めたり出張に伴った旅費精算などの業務を効率化したりすることが可能です。
また、紙ベースとして出張命令書を運用するのでなく、電子データでの保存や出張管理システムの導入といった対策を実施することで、一層に出張命令書の取り扱いや保管作業においてメリットを追求していけることもポイントです。
ただし、出張管理システムには製品ごとに特性や機能が異なっているため、出張命令書の作成や保管についてのみシステムの価値を検討するのでなく、自社の業務をトータルで考えた上で選定するようにしてください。
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